2009年09月09日

CIOは誰がやる?



*ITメディアより画像引用
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0511/29/news006.html

数年前ITメディアの寄稿記事で『CIOは誰がやる?』という記事を書きました。中小企業においては基本的には経営者がやるべきで、必要に応じて外部機能の活用を推奨する内容でした。

昨年『中小企業におけるCIO機能考察』という研究論文を書きました。実際に支援をさせていただいた企業、既知の企業のCIO機能を調査研究したものです。

そこでも本当に中小企業が戦略的にIT投資を実現するCIO機能を得るためには、経営者自身がCEO&CIOとして機能すること、さもなくば積極的に関与することを薦めています。しかし以前の記事と違う点が二つあります。

①外部機能への依存
②個人への依存
への課題提起です。

①外部機能への依存
社内に人材がいないということで、中小企業ではITコーディネータやITベンダーのコンサルタントにCIO機能を依存しているケースが見られます。経済産業省の調査では、300人以下の企業ではCIOは社内にいないが「ITコーディネータなど主に社外の人物に頼っている」が、13.3%にもなります。しかしCIOが社内にいるケースと比較すると、投資額は伸びているが投資対効果は及ばない、という結果になっています。

②個人への依存
前の記事でもCIOチームを提唱していますが、人的資源の乏しい中小企業においては、リソースの相互補完関係で多くの仕事が成り立っています。そこで、CIO機能もある人的資源で補完していこうというものです。調査研究でも、CIOが機能している中小企業は、唯一のCIOが存在しているのではなく、経営者がCIOを担っている場合でも補完する人的資源を社内に保有しているケースがほとんどでした。

イノベーション経営カレッジでは、中小企業に必要なCIO機能、自分の役割、巻き込む関係者、必要な知識・スキルを明確にしていいきます。
またITコーディネータやITベンダーのコンサルタントなどの外部機能を否定するのものではなく、外部機能の有効な活用方法も考えます。
   


Posted by 木村玲美 at 09:39Comments(0)CIO

2009年09月08日

CIOチーム





*CIOにはスーパーマンのような能力を求められる

今日はCIO育成支援アドバイザーの訪問日です。昨年11月からIPOをめざしている企業様(T社様)で情報化投資及びCIO育成の支援でお邪魔しています。これは中小企業基盤整備機構の事業で、1年間に渡って経営戦略の確認から、IT導入・活用までじっくりと支援するものです。

中小企業のCIO育成は数年前から声高に叫ばれていますが、なかなか進んでいいません。大企業においてもCIOという肩書はあっても、情報システム部門長の域を出ていないケースがほとんどです。それはCIOというスーパーマンのような機能を担える人材の育成が現実はとても難しいことにあります。特定の「人」に依存する限り、特定の「個人」の資質に依存します。教育にも限界があります

そこでT社様では、CIOチームを編成し、チームでCIO機能を担う形態をとっています。チームメンバーは主任CIO(ISOなどのマネジメント業務の経歴者)、CFO(財務の責任者)、経営企画室室長、IT技術者の4名です。主任CIOが責任者となって、皆で知恵を絞り、皆で役割分担をして推進をしています。社長はオーナーとして常に参画しています。

CIOの業務の殆どが多くの関係者を巻き込むことを要します。知識・スキルの補完だけでなく、社内の関係者をあらかじめ当事者にしてしまう狙いもあります。
CIOとしての職務分掌を明確にして個人を育成するという米国式CIOも良いですが、日本型経営の良さ「チーム力」を見直しましょう!


★中小企業基盤整備機構
http://www.smrj.go.jp/

  


Posted by 木村玲美 at 17:03Comments(0)CIO